Ring
引き出しの 中の 小さな 箱から
くすんだ リングを 取りだして
やさしくやさしく キスを する
色褪せた リング 輝かない 宝石(いし)は
何故だか こんなにも 鮮明に
しあわせだった頃の おもいでを よみがえらすんだ
はじめて 薬指に はめたとき
しあわせ だった
色違いの 宝石は
ふたりの 絆のように 輝いていた
朝の陽を 浴びて 輝く リング
あんなにも 愛した はじめての 恋人
辛い おもいでの方が 多いはずなのに
頬を伝う 滴が 落ちた リング
どうしてなの? おもいだすのは いつだって
ふたり 笑いあっていた 日々だけなの
もう二度と はめることのない リング
おもいでと 共に もう一度 しまおう
決して 捨てることは できないの
未練など ないはず なのに